エネルギー業界のこれから

3E + S


我が国の「エネルギー基本計画(第5次)」では、「3E+S」とよばれる「安全最優先(Safety)」、「資源時給率(Energy security)」、「環境適合(Environment)」、「国民負担抑制(Economic efficiency)」という原則の下で、安定的で負担が少なく、環境に適合したエネルギー需給構造の実現を目指しています。

「3E+S」の下に、エネルギー政策の推進にあたっては、生産・調達から流通、消費までのエネルギーのサプライチェーン全体を俯瞰し、基本的な視点を明確にして中長期に取り組んで行くことが重要であるとされています。

エネルギーミックス


2030年には電力の安定供給を図るためのエネルギー源としては、石油・石炭・LNG(液化天然ガス)火力、水力、太陽光や風力などの再生可能エネルギー、原子力などさまざまな種類があります。これらのエネルギー源には、安全性、環境への負荷、コスト、施設運用、供給安定性などの面で長短があり、電力の安定供給を図るめ、多様なエネルギー源を組み合わせて電源構成を最適化する「エネルギーミックス」の実現を目指しています。
更に2050年には、より高度な「3E+S」を目指すために、エネルギー転換・脱炭素化への挑戦が掲げられています。
エネルギーミックスについては、まだまだ「道半ば」にあり、実現に向けた取り組みをより計画的に進めて行くため、各施策を深く掘り下げ、強化を行う方向性が示されています。

①再生可能エネルギー(再エネ)

主力電源とするための、低コスト化、電力を電力系統に流す時に発生する「系統制約」の克服、不安定な太陽光発電などの出力をカバーするための「調整力」の確保に取り組む。

②原子力発電(原発)

依存度をできるかぎり低減するという方針の下、安全最優先の再稼働や使用済燃料対策など、必要な対応を着実に進める。

③石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料

日本企業による自主開発の促進を進める。また、高効率火力発電の有効活用に取り組む。加えて、災害リスクへの対応強化を図る。

④省エネエネルギー(省エネ)

「改正省エネ法」や支援策を一体として実施することで、徹底した省エネを進める。

「エネルギーミックス」の実現に向けた取り組みにおいて私たちの情報システム分野が寄与できる場面は数多く存在します。
例えば、「省エネ」一つを見ても今後、更なる省エネルギーに向けては、AI・IoTやビッグデータ等お活用して複数の事業者あるいは機器が互いに連動することで実現できる新たなエネルギーの取組への貢献。また、省エネを進めるにあたり、エネルギーの使用実態に関するデータの更なる活用が重要であり、IoTやエネルギーマネジメントシステム(EMS)の活用により、基盤構築を進め様々な省エネルギーサービスが可能となる環境整備への貢献などがあります。

エネルギー産業の構造も大きく変化していくことが期待されています。発電事業については、ガス事業者、石油事業者、さらに自家発電を持つ企業や再生可能エネルギー供給事業者が参入し、エネルギー源ごとに供給者が棲み分けていた環境が大きく崩れることになります。また、小売事業においても、需要家の多様なニーズを取り込む技術的ノウハウを持つ情報通信事業者など異分野からの参入が予想されるところであり、様々な産業分野を巻き込んで電力市場の構造転換が
大きく進んでいくことが期待されています。

当社の取り組み


エネルギー分野においても、今後さらにAI・IoT等のデジタル技術によるシステムの高度化やデジタル技術を実装し地域資源も活用した分散型の新たなシステム構築などが進んでいく過程において、私たちが今日まで取り組んできたシステム開発やデータ分析における資産を更に高めて、当社が必用とされる分野で「エネルギーミックス」へ貢献していきたいと考えます。

※出展:経済産業省「エネルギー基本計画」「第五次エネルギー基本計画を踏まえた電力・ガス政策の方向性について」他


自由な発想を未来へ