医療現場におけるIT活用
医療現場においてもITは幅広く活用されています。歴史的に見ても1970年代頃からデジタル化が進められるなど、医療とITはとても深い関係にあります。
具体的には電子カルテを中心としたペーパーレス化やレセコン、オーダリングシステムなどの各部門の業務の自動化、医療機器においては、X線撮影やCT、MRIなどの検査機器のデジタル化によるフィルムレス運用など、アナログからデジタルへのシフトに焦点を置いた政策や取り組みが進められています。
しかしこれらはかつての医療のIT化におけるテーマであり、昨今では先進技術を活用した更なる医療の質の向上、医療費の抑制、医療が抱える課題解決が期待されており、それらのキーワードとなるのがヘルステックです。
ヘルステック
ヘルステックとは、健康(Health)と技術(Technology)を組み合わせた造語です、明確な定義付けはありませんが、医療・介護・ヘルスケア領域におけるICT技術の介入による新しいサービスなどを指すと言われています。
ヘルステックの要素としては医療、製薬はもちろんのこと介護や予防、健康維持など幅広く、そのため活用領域は以下のように多岐にわたります。
- 手術支援ロボット
- RPAによる医療事務業務の効率化
- AI、ビッグデータによる迅速な製薬
- AIによる診断支援・病気の進行予測
- オンライン(遠隔)診療サービス
- IoMT(Internet of Mediacl Things)による医療・健康情報の収集、解析
- 介護支援ロボット
- ウェアラブルデバイスの活用による健康管理、予防医療
これからの医療が目指すこと
日本の医療のサービス提供は今まで地域や病院によって異なるものとされてきました。
しかし日本の抱える2025年問題に挙げられるような課題の解決には、医療情報の連携、つまりはそれを可能にするネットワークの構築が必要となるでしょう。
具体的には、病院、薬局、介護施設などが患者の情報を横断的に共有・閲覧できるネットワークを構築することで、複数の医療機関が連携し、患者の過去の診断履歴を遡ることができたり、誤った治療(不要な投薬、重複した検査など)を防ぐことで、医療費を抑制しつつ適切な治療を可能にします。
また医療リソースの最適化により、大量の診療検査結果データをAI・ビッグデータを活用して解析することで、予防・再生医療、製薬などの分野で、開発スピードの高速化とコスト削減による医療現場の負担軽減を可能にするでしょう。
しかしヘルステックをフル活用したこれからの医療にはまだまだ課題は多いのが実状です。
診断・治療の責任、安全性の担保、電子カルテの標準化、診療データ等の大量の個人情報データの取り扱いにおける高度なセキュリティー対策、保険認定、規制緩和、社会的理解の獲得など様々ですが、その先にある未来の医療は、助かる命を増やし健康寿命の延伸へと繋がるでしょう。
当社の取り組み
先述の通りヘルステックの技術分野は多岐にわたります。様々な業種で培われたIT技術が医療の世界にフィードバックされるという見方も出来るでしょう。また、医療・医薬のデータ分析に携わってきた解析技術も活躍の分野が広がることでしょう。今こそ当社の技術とノウハウを活かし、医療におけるDXの推進に貢献したく考えております。